VRSC

VRSC

仮想基準局(VRS) by CLAS

日本国内どこにいてもセンチメートル級測位補強データ(RTCM)をその場で出力。
DG-PRO1RWSと一緒に使えば、携帯電波なしにどこでもRTK1を可能に!

WiFiアクセスポイントを内蔵しDG-PRO1RWSとダイレクトに通信。

CLAS/MADOCAの実験・学習用にL6D/E RAWデータを出力可能。


夢の実現

衛星だけでセンチメートル級の測位という夢。
いよいよ、だれでも手に取れる価格で実現する。


  • 山や人里はなれた場所で


    山間部では通信電波が届かないところがたくさんある。そんな場所でRTKをするにはハードルが高かった。 VRSCなら簡単だ。ただ置くだけ。それで基準局として動作する。

  • 日本近郊の海上で


    海もまた、携帯電波は届かない。VRSCは海の上でもRTKを可能にする

  • ドローン


    Drone

    ドローンの地上との通信帯域には限りがある。いままではRTK受信機を搭載するには通信帯域の課題があった。VRSCならそんな心配はいらない。 RTK受信機と一緒に搭載すれば地上との通信なしにRTKができる。

  • 測量


    DG-PRO1RWSでバイクレースを楽しむ写真です

    測量にもさまざまな要求精度がある。要求精度内であればVRSCならデータサービスや通信インフラは不要だ

  • 実験、研究


    CLASは国策、みんなのものだ。しかしなかなかL6受信機は手に入らない。VRSCはCLAS、MADOCAの生データを出力できる。
    オリジナルのデータ処理や解析を可能にする

  1. VRSCによるRTK (PPP-RTK)は、実観測データを使用した通常のRTKより精度・Fix率などに劣ります。

製品デザイン



機能/特徴

VRSCはみちびきL6Dデータを受信し、仮想点における観測データ(RTCM)を生成する基準局として動作します。
Wi-Fiアクセスポイントを内蔵し、DG-PRO1RWSと直接通信することで、日本国内のどこでもRTKを行うことができます。

  • QZSS(みちびき)L6D/L6Eの同時受信

    任意の仮想点における疑似観測データ(RTCM)の生成

    疑似観測データ対応衛星 GPS L1/L2 QZSS L1/L2 Galileo E1

    Bluetooth 4.2モジュール内蔵

    WiFi 802.11 b/g/n モジュール内蔵

    Wi-Fi アクセスポイントとNtrip Caster内蔵1

    BluetoothまたはTCP経由でのL6D/L6EのRAWデータ出力

    SMAアクティブアンテナコネクタ

    L1/L2/E5b/L6 3周波高性能アクティブアンテナ付属

    アンテナ短絡検出および電源供給遮断による保護機能

    Android™用専用サービスアプリDrogger-VRSCを無償提供

    Bluetooth経由での本体ファームウェアアップデート

    軽量コンパクト 40g(W×D×H (㎜))48.5 × 50 × 10.8 2

    電源ケーブル長さ 10cm, アンテナケーブル 5m

    防水・防塵 IP673 ヘビーデューティー仕様

    安心の技適・FCC・Bluetooth SIGに対応または取得済

    1年保証 (日本国内のみ ケーブル類を除く)

電源を入れるだけで基準局

VRSCは何の操作も要りません。電源を入れるだけ基準局として動作します。
移動局もDrogger-GPSアプリなら、ワンクリックでVRSC用設定ができます。
VRSC dev screen
Drogger-GPSでの設定

独自RTCM生成エンジン搭載

当社独自開発のCLAS RTCM変換エンジンを搭載。高効率なソフトウェアにより小さなマイクロプロセッサーでの動作を可能に! 小さなプロセッサーは、省電力とコンパクト化、低コストに大きく寄与します。
VRSC dev screen
VRSC開発用モニター画面

また、2022/1リリースのDG-PRO1RWSの最新ファームウェアではRWSの受信モジュールで直接L6Dメッセージ処理してRTKを行う方法にも対応します。

MADOCA対応

日本ではCLASを、その他の東アジア・オセアニアの国々ではL6Eを使用してMADOCAによる測位が可能です。
MADOCAを使用するには、別途DG-PRO1RWSとMADOCAライブラリーラインセンスが必要です。
MADOCA詳細 | ライセンス購入方法

通信機能

WiFiを内蔵し、RTCM出力用Ntripキャスターを単体で実行可能。電源をいれるだけで何の設定も不要です。
L6D/EのRAWデータ出力用にTCPクライアントも内蔵。TCPサーバーのアドレスを指定することでWiFi経由で送信します

Bluetooth 通信インタフェース

上記WiFiに加えてBlutoothでのRAWデータ出力も可能です。設定はAndroid専用アプリにてBlutooth経由で行います。(iOSは不可)

防水・防塵

VRSCは完全な防水・防塵仕様4。天候や場所を気にせず使用できます。

3周波アンテナ

VRSCはコンパクトで高性能な3周波アンテナを標準添付。野外用超強力両面テープが付属し固定も容易に行えます。
接続は標準的なSMAアンテナコネクター。L1/L2/E5b用のアンテナとしてDG-PRO1RWSにも使用可能です。

VRSC用として他のL2/L6アンテナも使用可能。接続可能なアンテナの詳細はスペックページをご覧ください。

付属アンテナ用三脚アタッチメント(オプション)

付属アンテナ用グランドプレーン120mm付きの三脚アタッチメントです。5/8-11凸ネジの付いた測量用三脚に取付できます。
グランドプレーンにより地面からの反射波を低減し、高精度な測位を支援します。

グランドプレーンアンテナアダプターの画像です

付属アンテナ用伸縮ポールアダプター(オプション)

伸縮ポールなどφ25mmパイプ先端に、三脚アタッチメントを装着した付属アンテナや、
RWP(DG-PRO1RWSコンパクトパッケージ)を取り付けるためのアダプターです。

市販されているシンワ製伸縮ポールに取り付け可能です。

伸縮ポールアダプターの画像です


Drogger-VRSCアプリ

Drogger-VRSC用に無償提供されるAndroid™用アプリです。RAWデータ出力設定やファームウェアの更新などが行えます。
(通常はこのアプリを使う必要はありません。電源を入れるだけで基準局として動作します。)

電源

VRSCはバッテリーレス。標準で5V USB TypeAのケーブルが付属します。車のUSBコネクター、USB充電器、モバイルバッテリーなどが使用できます。利用用途に合わせた電源を選択可能です。
また、バッテリー寿命によって製品が使えなくなるなどの心配は無用。ロングライフで使用できます。


電源分岐ケーブル

VRSCは、DG-PRO1RWSと一緒に使うことでRTKを行います。1つのモバイルバッテリーでVRSCとDG-PRO1RWSの両方に電源を供給できる分岐ケーブル SW001も使用できます。


  • DG-PRO1(RW)とSL001の電源を分岐するケーブルです。

    SW001(電源分岐ケーブル)

  1. 同時接続数は1台まで

  2. USBType-Aコネクター・SMAコネクターの接続部を除く

  3. USBケーブル、アンテナコネクタ除く

  4. USBType-Aコネクター・SMAコネクターの接続部を除く

はじめに

VRSCは、弊社レシーバ DG-PRO1RW(S) / RWPと共に使用します。

CLASやVRSCに関するテクニカルドガイドを公開しています。合わせてご覧ください。

システム概要

VRSCとDG-PRO1RWSは下図のように構成されます。

VRSC system
  • 前モデルのDG-PRO1RWの場合は、WiFiを持たないため図中の[WiFi ST] と[Ntrip Client]はAndroidのDrogger-GPSで実行されます。
  • DG-PRO1RWSをMoving Baseで使用する場合はWiFiをNtripClientとして使用できないため、[WiFi ST] と[Ntrip Client]はAndroidのDrogger-GPSで実行するようにします。

設定

VRSC

VRSC側の設定は必要ありません。電源を入れるだけで準備完了です。

  • CLASの情報は1セット受信するのに30秒かかります。1セットすべてを受信するには、電源を入れるタイミングにより最大1分かかります。設置場所への移動時に電源を入れておくと起動時間を短縮できます。

RWP / DG-PRO1RW(S)

RWP / DG-PRO1RW(S)はDrogger-GPSアプリにて以下の設定を行います。

  1. [設定] ...メニュをタップし、[デフォルトに戻す]をタップします。
  2. [RTK]-[移動局]をONにします。
  3. [移動局用キャスターホスト]-[Drogger-VRSCを使う]をONにします。

  4. VRSC dev screen
  5. 設定を終了し、[Start]をタップします。

これでRWP/DG-PRO1RWSはVRSCと直接通信してRTKを開始します。DG-PRO1RWの場合は、AndroidのWiFi経由でVRSCとアクセスします。

  • RWP/DG-PRO1RW(S)側からVRSCに衛星航法データなどを送信します。このデータは衛星から情報を受信してはじめて送信できます。 起動時間を短縮するためにRWP/DG-PRO1RW(S)の電源を事前に入れておくことをお薦めします。

測量

測量では測位用のものとは別に三脚等に設置します。オプションのモバイルバッテリー SB-A3350で10時間以上連続使用が可能です。

VRSC Tripod
(写真のグランドプレーン ANN-ADP120, モバイルバッテリー SB-A3350, バッテリーホルダー SBH001はオプションです。オプションおよび三脚は製品には含まれません)

設置場所は、オープンスカイであればどこでもOKです。WiFiが届く範囲であれば移動局(RWP、DG-POR1RW(S))は自由に移動できます。
VRSC Tripod

トラクター、重機、車など

移動体では、VRSCも車両に搭載します。

  • アンテナの固定は付属の強力両面テープで固定できます。
  • アンテナ取付面が金属の場合はグランドプレーンは不要です。樹脂などの場合は、ANN-ADP120グランドプレーンとRWP-MNT車両マウンターを使用してください。
  • 移動局用のアンテナとの位置の関係はありません。どこでもOKです。

VRSC Moving

  • VRSCとDG-PRO1RWSの両方に電源供給するにあたり、電源を分岐ケーブルを使用すると1つの電源で供給できます。
  • DG-PRO1(RW)とSL001の電源を分岐するケーブルです。

本体仕様

項目
品名Virtual Reference Station by CLAS
型式VRSC
本体寸法(W×D×H (mm))
(アンテナコネクタ・電源ケーブル除く)
48.5 × 50 × 10.8
電源ケーブル100mm
本体重量40g
カラーブラック
電源電圧DC 4.5V ~ 9V
消費電流300mA(WiFi Bluetooth 同時接続 アンテナ含む)
Bluetooth4.2
WiFi802.11 b/g/n WPA/WPA2/WPA2-エンタープライズ
耐衝撃・防水・防塵IP67
動作温度-40 ~ +50℃
保管温度-40 ~ +80℃
アンテナコネクタSMA
原産国日本
保証期間1年 (日本国内のみ ケーブル類を除く)

受信仕様

項目
衛星・周波数QZSS L6
受信可能信号L6D L6E (CLAS and MADOCA)
受信チャンネル数2

出力仕様

項目
Bluetooth SPPL6D またはL6E RAWデータいずれか一方
TCPクライアント
(WiFi ステーション)
L6D またはL6E RAWデータいずれか一方
Ntripキャスター
(WiFi アクセスポイント)
RTCM3 MSM4
クライアントアクセスのみ対応
3クライアントまで同時接続可能
出力は上記3項目のうち1つのみ実行可能。2項目以上の同時使用はできません。

RTCM生成仕様

項目
対応衛星とシグナルGPS L1C/A L2C L5, QZSS L1C/A L2C L5, Galileo E1 E5b E5a
最大衛星数17機(CLASデータ仕様)
最低シグナル強度36dbHz
電源ONから生成までの時間1分以内
静止精度水平 ≦±6cm(95%)(3.47cm(RMS)), 垂直 ≦±12cm(95%)(6.13cm(RMS)) (CLASデータの仕様)
移動体精度水平 ≦±12cm(95%)(6.94cm(RMS)), 垂直 ≦±24cm(95%)(12.25cm(RMS))(CLASデータの仕様)
RTCMタイプRTCM3 MSM4 1005,1008,1074,1094,1114
測位座標今期座標
対応RTK受信機RWP, DG-PRO1RWS, DG-PRO1RW, その他「生成に必要な外部データ」を提供可能なRTK受信機
仮想点クライアントから送信された(PVT)位置
仮想点の更新現在の仮想点位置からクライアント位置までの距離が1kmを超えるごとに更新
生成に必要な外部データu-blox RAWX-SFRBX, NAV-PVT(5秒ごと) (Ntrip Clientから送信の必要あり)
バージョンアップファームウェアの更新により可
その他の仕様内閣府センチメータ級測位補強サービスの仕様に準じる

付属アンテナ仕様

項目
品名3周波 GNSS アクティブアンテナ
対応周波数 L1/L2/E5b/L61559-1610 MHz / 1197 - 1285 MHz
消費電流31mA
本体寸法(W×D×H (mm))65 x 65 x 27.7 mm
コネクタSMA
ケーブル長さ5m
重量220g
カラーブラック
取付・固定野外用強力両面テープ (Φ20mm t=1.5mm x 10枚 付属)
防水・防塵IP67
動作温度-40 ~ +85℃

使用可能な外部アンテナ仕様

項目
タイプアクティブアンテナ
動作電圧3.0V
消費電流50mA以下
ゲイン30 dB
最大ゲイン40 dB
最大雑音指数3 dB
L2/L6アンテナゲイン1197-1285MHz: 2 dBic typ.
帯域外フィルタ40 dB typ

オプション

  • ANN-ADP120 三脚アタッチメント

    アンテナ三脚アタッチメントANN-MBアンテナ用三脚アタッチメントの写真です

    付属アンテナのための120mmグランドプレーン付き三脚アタッチメントです。グランドプレーンはSUS304ステンレス。5/8-11凸ネジの付いた測量用三脚に取付できます。

  • RWP-PLA 伸縮ポールアダプター

    アンテナ三脚アタッチメントANN-MBアンテナ用三脚アタッチメントの写真です

    RWPやANN-ADP120三脚アタッチメントを含む5/8"-11メネジ付き製品を、伸縮ポールなどのφ25mmパイプに取り付けるためのアダプターです。シンワ製伸縮ポールに取り付け可能。φ25mm以上のパイプ(1インチ:φ25.4mmパイプ含む)には取り付けできません。ロックスクリューのネジ締めに別途2面幅3mmの六角レンチが必要です。

  • SHB002 大容量防水バッテリーホルダー

    SBH002SBH002の写真です

    ポールや三脚と一体型に取付できる大容量の防水バッテリーホルダーです。トップには三脚アタッチメントを使用してアンテナを取付できます。
    Anker PowerCore 5000リチウムバッテリーを内蔵できます。
    仕様・詳細

  • SB-A5000 Anker PowerCore5000

    SB-A5000SB-A5000の写真です

    SHB002に内蔵可能な5000mA大容量リチウムバッテリー。VRSCで約20時間の連続動作が可能です。

  • RWP-MNT 車両マウンター

    車両マウンター車両マウンターの写真です

    RWPやANN-ADP120を、車両のルーフなどに取り付けるためのマウンターです。超強力両面テープが2セット(10pc)付属します。伸縮ポールアダプターと共に使用します。

  • SUL-75/SUL-300 電源延長ケーブル

    電源延長ケーブルの写真です電源延長ケーブルの写真です

    車輌ルーフなどに設置する場合に便利な電源延長ケーブルです。両端防水コネクタ。
    長さは75cmと3mの2種類。(写真は3m)

  • SB-A3350  Anker PowerCore+ mini

    推奨モバイルバッテリーの写真です推奨モバイルバッテリーの写真です

    当社推奨 3350mAh 超小型モバイルバッテリー。
    ※当社製品をご購入いただいた方限定で販売中

  • SBH001 耐振バッテリーホルダー

    SBH001 耐振バッテリーホルダーSBH001 耐振バッテリーホルダー

    Anker PowerCore+ mini 専用ホルダーです。5VUSBケーブルとバッテリーの振動による接触不良を防止し、激しい振動でも安定した電源供給を可能にします。

ダウンロード

Google Play で手に入れよう

Drogger VRSCはAndroid™のPlayストアから自由にダウンロード可能です。
Playストアアプリを起動してDrogger VRSCで検索し、インストールしてください。

使い方

VRSCの使い方を説明しています。
この記事はDrogger VRSCのユーザズガイドです... はじめに VRSCはWiFiアクセスポイントとBluetoothを備えています。仮想基準局として使用する場合はWiFiアクセスポイントのみ使用します。
VRSCの使い方を説明しています。
このガイドは、VRSCの購入や利用に際し、用途の適合性や対応方法などを示すものです。 私どもが実験などで得た知見などを公開することで特性などを理解いただき、良い点を引き出してご利用いただければと思います。
MADOCAの使い方を説明しています。
ビズステーションはAndroidアプリDrogger PPM  (PPP Positioning by MADOCA)をリリースいたしました。
先日、u-bloxからのアナウンスでF9Pのファームウェアアップデートがありました。FW HPG1.30です。(いままでは1.13) これはみなさんがお使いのRWS製品にも適用可能です。

お知らせ・トピックス

  • 2022年4月20日 
    ファームウェア Ver 1.2.66リリース
  • 2021年6月03日 
    ファームウェア Ver 1.2.60リリース
  • 2021年3月01日 
    ファームウェア Ver 1.0.56リリース
  • 2021年2月27日 
    ファームウェア Ver 1.0.55リリース
  • 2021年2月24日 
    VRSC販売開始。

ファームウェアリリースノート

1.2.66 2022/4/20

  • Android MADOCAライブラり―に対応しました。
  • その他いくつかの改善を行いました。

1.2.60 2021/6/3

  • Galileo E5bの観測データを生成可能にしました。
  • 複数クライアント接続(3クライアント)に対応しました。
  • その他いくつかの改善を行いました。

1.0.55 2021/3/1

  • L2 Z-trackまたはL5/E5をONにした場合に、GPS BlockⅡRの衛星でシグナルコードが誤ったコードになる不具合を修正しました。

1.0.55 2021/2/27

  • Ntrip Casterで、空または無効なマウントポイント要求に対し、ソーステーブルを返すようにしました。
  • RTCM 1008の生成に対応しました。
  • L2Z-track (OBS signal code 20)の観測データの生成に対応しました。

1.0.54 2021/2/24

  • 新規リリース