Transactd インストールガイド for Ruby
Transactd 2.4.2よりビルドとインストールが簡単になっています。(特にLinux/Mac OS X) 2.4.0以前のバージョンをビルドする場合は、旧ガイドをご覧ください。
使用しているRubyに応じた方法でインストールした後、テストを実行してください。
1. 使用しているRubyに応じたインストール方法の選択
ActiveScriptRuby用ビルド済みバイナリをインストールする(Windows)
使用しているのがActiveScriptRuby の以下のバージョンである場合、用意されているビルド済みバイナリをインストールできます。
- ActiveScriptRuby Ruby-2.2.0-p0
- ActiveScriptRuby Ruby-2.2.0-p0(x64)
- ActiveScriptRuby Ruby-2.1.2-p95
- ActiveScriptRuby Ruby-2.1.1-p76(x64)
- ActiveScriptRuby Ruby-2.0.0-p195
- ActiveScriptRuby Ruby-2.0.0-p195(x64)
- ActiveScriptRuby Ruby-1.9.3-p429
上記のどれかのRubyを使用している場合、以下の手順でTransactd クライアントをインストールできます。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンドでGemをインストールします。
gem install transactd --platform=x64-mswin64-100 ::64bitの場合 gem install transactd --platform=x86-mswin32-100 ::32bitの場合
上記のコマンドで、以下の処理が行われます。
- ビルド済みバイナリパッケージをダウンロード
- Ruby用クライアント(transactd.so)と関連スクリプトファイルをRuby Gemのフォルダにインストール
- C/C++用クライアント(tdclc_*.dll,tdclcpp_*.dll)をWindowsのシステムフォルダ(System32 or SysWOW64)にインストール
ソースコードからビルドしてインストールする
現在、上記以外のRuby用のビルド済みバイナリは用意されていません。
ビルド済みバイナリが用意されていない環境では、2以降の手順に従ってインストールしてください。
- 2. Linuxでのビルドとインストール
- 3. Windowsでのビルドとインストール(MinGW)(RubyInstallerはこちら)
- 4. Windowsでのビルドとインストール(Visual Studio)
2. Linuxでのビルドとインストール
ここでは、Ubuntuでのビルドとインストールを例にします。
2-1. CMakeのインストール
Transactd クライアントのビルドにはCMakeが必要になります。
sudo aptitude install cmake
2-2. SWIGのインストール(Transactd 2.0以下のみ)
Transactd 2.0以下のバージョンでは、Ruby用クライアントのビルドにSWIG(2.0以上)が必要になります。 Transactd 2.1以降のバージョンには必要ありません。
sudo aptitude install swig2.0
2-3. Boost C++ Librariesのダウンロードとビルド
Boostのダウンロードページからソースコード をダウンロードし、解凍します。
cd ~
wget http://sourceforge.net/projects/boost/files/boost/1.59.0/boost_1_59_0.tar.gz/download \
-O boost_1_59_0.tar.gz
tar xzf boost_1_59_0.tar.gz
以下のコマンドを実行しBoostのビルドを行います。
cd ~/boost_1_59_0
./bootstrap.sh --with-libraries=chrono,filesystem,system,thread,timer,serialization,program_options,date_time,regex
./b2 cxxflags=-fPIC
2-4. Transactd クライアントのビルドとインストール
以下のコマンドを実行しTransactd クライアントをインストールします。
gem install transactd -- --boost=~/boost_1_59_0
上記のコマンドで、以下の処理が行われます。
- ソースコードパッケージをダウンロード
- Ruby用クライアント(transactd.so)とC/C++用クライアント(libtdclc_*.so,libtdclcpp_*.so)をビルド
- Ruby用クライアントと関連スクリプトファイルをRuby Gemのフォルダにインストール
- C/C++用クライアントを/usr/lib(デフォルト)にインストール
C/C++用クライアントのインストール先を変更したい場合は、以下のように指定してください。
gem install transactd -- --boost=~/boost_1_59_0 \
--install_prefix=/usr/local/lib
3. Windowsでのビルドとインストール(MinGW)
以下の手順は、RubyInstallerなど、MinGWビルドのRubyでのTransactd クライアントのインストール手順です。 Visual Studio ビルドのRubyでのインストール手順はWindowsでのビルドとインストール(Visual Studio) を参照してください。
自分が使っているRubyが何でビルドされているかわからない場合は、以下のコマンドがヒントになります。
ruby --version
RubyInstallerのRuby(MinGW版)の場合は、devkitが必要になります。
3-1. CMakeのダウンロードとインストール
CMake ダウンロードページから Windows (Win32 Installer) をダウンロードし実行します。
途中、「Add CMake to the system PATH for all(or current) users」を選択し、 cmakeの実行ファイルにパスが通るようにします。
3-2. SWIGのダウンロードとインストール(Transactd 2.0以下のみ)
Transactd 2.0以下のバージョンでは、Ruby用クライアントのビルドにSWIG(2.0以上)が必要になります。 Transactd 2.1以降のバージョンには必要ありません。
SWIG ダウンロードページから swigwin-2.0.11.zip (2013/10/29時点) をダウンロードし、解凍します。
解凍したフォルダのパスを環境変数PATHに追加します。環境変数は [コントロールパネル]-[システム]-[システム]-[詳細設定]タブ-[環境変数]から追加できます。
コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行します。SWIGが正しくインストールされている場合、バージョン情報が表示されます。
swig -version
3-3. Boost C++ Libraries のダウンロードとインストール
Boostのダウンロードページからソースコードをダウンロードし、解凍します。 ここでは、以下のフォルダに保存したものとします。
C:\boost\boost_1_59_0
コマンドプロンプトを起動し、MinGWのビルドツールのパスを設定します。
RubyInstallerとdevkitを使用している場合、devkitのフォルダに変数設定用のコマンドがあるので、それを実行します。
@REM RubyInstaller 2.0 64bit の場合
C:\RubyInstaller\devkit200-x64\devkitvars.bat
続けて、以下のコマンドでBoostをビルドします。
cd C:\boost\boost_1_59_0
bootstrap.bat gcc
@REM 64bitの場合
b2.exe -sTOOLS=mingw toolset=gcc threading=multi address-model=64 architecture=x86 ^
--with-chrono --with-filesystem --with-system --with-thread --with-timer ^
--with-serialization --with-program_options --with-date_time --with-regex ^
variant=debug,release link=static runtime-link=static
@REM 32bitの場合
b2.exe -sTOOLS=mingw toolset=gcc threading=multi architecture=x86 ^
--with-chrono --with-filesystem --with-system --with-thread --with-timer ^
--with-serialization --with-program_options --with-date_time --with-regex ^
variant=debug,release link=static runtime-link=static
3-4. Transactd クライアントのインストール
管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行してTransactd クライアントをインストールします。
gem install transactd -- "--boost=""C:\boost\boost_1_59_0"""
上記のコマンドで、以下の処理が行われます。
- ソースコードパッケージとC用クライアント(tdclc_*.dll)のビルド済みバイナリをダウンロード
- Ruby用クライアント(transactd.so)をビルド
- Ruby用クライアントと関連スクリプトファイルをRuby Gemのフォルダにインストール
- C用クライアントをWindowsのシステムフォルダ(System32 or SysWOW64)にインストール
4. Windowsでのビルドとインストール(Visual Studio)
以下の手順は、ActiveScriptRubyなど、Visual StudioビルドのRubyでのTransactd クライアントのインストール手順です。 MinGWビルドのRubyでのインストール手順はWindowsでのビルドとインストール(MinGW) を参照してください。
自分が使っているRubyが何でビルドされているかわからない場合は、以下のコマンドがヒントになります。
ruby --version
ビルドにはVisual Studioが必要になります。Visual Studio 2010 Expressを使用する場合は、 Transactd ビルドガイド for Windowsの「1. コンパイラの準備」を参考にしてください。
4-1. CMakeのダウンロードとインストール
CMake ダウンロードページから Windows (Win32 Installer) をダウンロードし実行します。
途中、「Add CMake to the system PATH for all(or current) users」を選択し、 cmakeの実行ファイルにパスが通るようにします。
4-2. SWIGのダウンロードとインストール(Transactd 2.0以下のみ)
Transactd 2.0以下のバージョンでは、Ruby用クライアントのビルドにSWIG(2.0以上)が必要になります。 Transactd 2.1以降のバージョンには必要ありません。
SWIG ダウンロードページから swigwin-2.0.11.zip (2013/10/29時点) をダウンロードし、解凍します。
解凍したフォルダのパスを環境変数PATHに追加します。環境変数は [コントロールパネル]-[システム]-[システム]-[詳細設定]タブ-[環境変数]から追加できます。
コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行します。SWIGが正しくインストールされている場合、バージョン情報が表示されます。
swig -version
4-3. Boost C++ Libraries のダウンロードとインストール
Transactd ビルドガイド for Windows の「3. Boost C++ Libraries のダウンロードとインストール」を参考に、Boost C++ Librariesをダウンロード・インストールします。
4-4. Transactd クライアントのインストール
管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行してTransactd クライアントをインストールします。Boostのパスは各自のインストール先に読み替えてください。
gem install transactd -- "--boost=""C:\boost\boost_1_59_0"""
上記のコマンドで、以下の処理が行われます。
- ソースコードパッケージをダウンロード
- Ruby用クライアント(transactd.so)とC/C++用クライアント(tdclc_*.dll,tdclcpp_*.dll)をビルド
- Ruby用クライアントと関連スクリプトファイルをRuby Gemのフォルダにインストール
- C/C++用クライアントをWindowsのシステムフォルダ(System32 or SysWOW64)にインストール
4. テストの実行
TransactdのテストはRSpecを利用しています。
RSpecをインストール後、ソースディレクトリの
source/bzs/test/tdclrb
以下にある*_spec.rb
を実行してください。例:
rspec transactd_spec.rb
rspec transactd_v3_spec.rb